爪甲剥離

爪甲剥離とビュルガー(バージャー)

Q. 爪甲剥離に鍼灸は効きますか?

今、病院にかかっていますが爪甲剥離がなかなか良くなりません
鍼灸での効果はどうなんでしょうか?良くなるとしたら何日程度で回復してきますか?
また、以前扱った症例などもご紹介いただけましたら幸いです。

A. 以前症例発表したものがありますので、これを参考にしてください。

爪甲剥離(そうこうはくり)症の一症例報告

多くは後天性に起こり、外因つまりトゲなどの異物が刺さったり、指先を酷使する職業(料理、理髪・美容等)や、マニキュアの使用などが原因として考えられる。更にはカンジダなどの感染症、薬物服用、皮膚疾患や全身疾患などに伴って生じることもある。
爪甲(そうこう)が爪床(そうしょう)から離れて浮き上がった状態で爪先から根元に向かって徐々に剥離が進行。

茨城県 女性(29歳)の例 (初診:2010年11月10日)
職業:事務

来院動機:
ある鍼灸院のWebページで爪甲剥離が完治したという事例を見つけた。しかし残念ながら場所が遠く通える所にはなく近くで検索したら当院Webを発見し、この症例について問い合わせがあって来院。
既往歴:花粉症

症状:
8年前頃より右手第一指に黒点が出現、爪半月の白い部分が徐々に増え、左第一指、左手第二指の3本の爪が爪甲剥離になる。よく爪が引っかかるので、その際はとても痛む。今はかろうじて3本のみだが、悪化すると三、五指にも同様の症状が出現した。現在、この爪の状態でいる事がとても辛いと訴える。
ペインスケール = 7
酒はたしなむ程度、食欲は普通、便通も問題なく、睡眠もできている。
今までの経過:1年半の間に2つの病院に通院するも特に効果は無かった。

診断:
爪を痛めるような日常生活を送っていることは考えられず、体形も痩せ型で甲状腺機能異常や貧血、糖尿病等の既往も無く、やや冷え性であるということ以外原因として考えられそうなことは無かった。爪を指で上から圧してみると、問題の報告されている爪において、色の戻りがやや遅く感じるので血行不良があるのではないかと疑われた。

病名:特発性爪甲剥離

治療:健康人で1日に約0.1ミリ伸び、爪全体が再生するのに約6ヶ月かかると言われているので、すぐに結果はでないであろうと告げた上で治療を開始。

爪に鍼通電
治療内容:

  • 第1診目[11月10日]
    使用鍼はステンレス0.2mm×40mmで問題のある爪の指端穴に5mm程度直刺、これに合谷、曲池、天柱等を結んで3Hzで通電20分。その後、超音波治療を1指2分程度。治療後、指端穴への自宅施灸の指導を行い、線香と灸を渡して帰す。

初診の治療後急速に回復し、経過良好との報告を受ける。以下は本人からの報告メール

改めて見ると本当にすごいと感じます。今までの悩みが、あっという間に解消されていくようで・・・。本当感謝しております。このまま完治するようにおうちでもお灸欠かさずに継続します!!とのこと。

  • 第2診目[11月22日]

 前回と同様の治療を行う。写真で茶色くなっているのはお灸の痕。
治療前後

考察:
爪の伸びは遅いと言われているが、今回意外と早く結果が現れてきた。その理由は、鍼灸、超音波等の刺激により、爪と皮膚の接合部(爪床またはネイルベッド)に起きた軽微な異常が改善され、爪甲下ケラチンの状態や毛細血管の急激な再生が起こったためではないかと推察される。

鍼灸刺激による指端穴における血流量の増加、血管の拡張に関係し、血管の平滑筋細胞に作用して血圧を下げる作用があることで知られている血管拡張物質 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の増加。血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の産生で血管新生が起こる。など数々の研究によって立証されているので、当然起こりうる現象と捉えることが可能である。今後、美容分野においても鍼灸は大いに貢献できるものと確信した。

ただし、皆さんが同じ期間で回復するとか限りませんし、やってみないと分からないですが、良くなるケースも多いので数回お試しいただいてはいかがでしょうか?なお、爪の先に鍼というと痛そうと思われる方も多いかと思いますが、ほとんど痛みは感じませんのでご安心を。

Q. ビュルガー病またはバージャー病に鍼灸は効きますか?

A. 以前「あはきワールド」という業界紙に掲載された記事を参考にしてください。
>>>こちら
結論から言うと、大変効果があります。
DM.jpg

鍼灸学会で発表したものを以下に

爪 爪
爪 爪
爪 爪
爪 爪
爪 爪
爪 爪
爪 爪
爪 爪
爪 爪
爪 爪
爪 爪
爪

 

得意とするもの

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